
共有持分
2024.05.06
共有持分を売却の相場感は?どのような物件なら高く買い取ってもらえる?
共有持分を売却した場合の相場感を解説します。一言に共有持分といっても、取り巻く状況によって買取額は変動しますし、最終的には誰に売るかで大きく変わります。今回は相場感に加え、どのような物件の共有持分なら高額買取を狙えるのか紐解いていきます。
共有持分を他の持分権者に売却した場合の相場感

共有持分をその物件を保有している他の持分権者に売却した場合の相場感は、「物件価格×共有持分比率」です。例えば6,000万円の家屋・土地を2名の兄弟が1/2ずつ共有持分を保有している場合6,000万円×1/2=3,000万円となります例えば弟が兄に共有持分を売却するなら3,000万円になるということ単純明快な相場観ですが、これは他の持分権者への売却ならトラブルになりにくいことが影響しています。
共有持分を第三者に売却した場合の相場感

一方、共有持分を第三者に売却した場合の相場感は、「物件価格×共有持分比率×0.3〜0.5」です。先ほどの例を使うと他の持分権者に売却するなら3,000万円のところが、関係ない第三者である買取業者を使うと3,000万円×0.5=1,500万円の買取価格になってしまうというわけです。
第三者への売却が安くなる理由

第三者への売却はこのように非常に安くなってしまいますが、その理由はなんでしょうか。一番大きい理由は共有持分はそのままでは満足な運用が難しいからです。
共有持分権者がいる物件を売却するには他の持分権者全員の同意が必要です。また、大規模なリフォームをしたり、賃貸用物件として運用するような変更も他の持分権者全員の同意を得なければいけません。つまり、共有持分を持っていてもそれだけではなんの価値も生み出せないのです。せいぜい物件に住んでいる他の持分権者から自分の持分にあたる家賃を徴収することくらいしかできません。やはり共有持分を購入した先には、他の持分権者の持分も全部買取り、物件自体を売却したり賃貸運用するというのがゴールになります。
しかし、それがうまくいくならば、共有持分権者同士で売買をすればよく、第三者に相談がいく時点で難しい状況にある物件ということになります。そのため、買い取った後に第三者が運用に向けてコストをかけて動く必要が生じるため、買取額も他の持分権者に売るよりも安くなるのです。
第三者への共有持分の売却が高くなるポイント

「物件価格×共有持分比率×0.3〜0.5」が共有持分を第三者に売却した場合の相場感ですが、できれば×0.5での売却を目指したいところです。どのような物件がより高い買取額を狙えるのでしょうか。
共有持分権者の数が少ない
共有持分権者の数が少なければ少ないほど高額買取の可能性が上がります。共有持分権者が2,3人程度でしかもすぐに連絡が取れるというのであれば、理想的です。逆に、たまに見られるのが、共有持分の相続が発生したことによりねずみ算式に共有持分権者が増えているパターン。権利状況を整理せずに放置していたことにより、20人程度の共有持分権者が存在しているケースもあります。こうなると、そもそも共有持分権者を探し出して連絡を取るのも大変ですし、事情を話して共有持分の買取をお願いしても交渉が難航する可能性が高いです。コストがかかるので買取金額も必然的に安くなります。
他の持分権者が売却に賛成している
他の持分権者が売却に賛成しているケースも高額買取が狙いやすいです。例えば、物件を売却したいが、どの持分権者も自分で他者の共有持分を買い取る財力がない場合などにあり得るケースです。全持分権者の同意のもとに第三者の買取業者に売却することで、それぞれの持分権者にお金が入ります。あくまで第三者への売却なので他の持分権者に売るよりは当然安くなりますが、買取価格の交渉はしやすいはずです。
土地と建物の共有持分がセットになっている
共有持分が土地と建物がセットになっているのは一見当たり前のように感じるかもしれませんが、中には底地のみ、借地権のみが共有持分の対象になっている場合もあります。このように土地のみ、建物のみの共有持分は運用が難しいですし、それこそ土地だけでは全く運用方法がありません。上に建っている建物を文字通り使用することさえできないからです。そのため、土地と建物の共有持分がセットになっていることで高く買い取れるというよりは、土地と建物がセットで初めて通常の買取のスタートラインに立てると言った方が良いかもしれません。逆にそうでない物件は下手をすると×0.3よりも買取額が下回る可能性があります。
ローン残債や抵当権がない
ローン残債や抵当権がないのも、有利になるというよりは買取のスタートラインといえます。共有持分を買い取った者がローンや抵当権も引き継ぐことになるため、ローン残債や抵当権があるとそもそも買取を断られる可能性が高いです。買取するにしてもローン充当分を差し引いた額になるため、相当安い金額になるのは間違いありません。
隣地との境界標が設置されている
隣地との境界を示すための標識(境界標)が設置されている物件は、少なくとも周囲とのトラブルのリスクが低いため、買取額が期待できる可能性はあります。これは持分共有物件だけでなく一般の不動産物件にも言えることですが、特に共有持分物件の場合は他の持分権者との交渉もあるのに、境界標がないために隣地の住人とのトラブルにつながるというのでは、やはりリスクを踏まえて安く見積もられてしまいます。
建物の状況や周辺環境が良い
そして、当たり前ですが、建物の状況や周辺環境が良い物件は、買取後の出口戦略が描きやすいので、良い条件で売却できる可能性が高いです。
共有持分の売却は専門の買取業者へ

共有持分の売却を検討するにあたって、まずは自力で他の共有持分権者に相談しようと考える方は多いはずです。他の持分権者と良い関係を築いており、コミュニケーションが取れていれば、問題は起こりづらいでしょう。逆にあまり仲が良くなかったり疎遠な持分権者がいる場合に、うまく交渉できずに売却話が暗礁に乗り上げる可能性があります。そうなると第三者の買取業者でも、そこから買い取るためのコストを考えるので、必然的に買取額が安くなってしまいます。
つまり、不安要素や不確定要素がある場合は、最初から買取業者に相談し、他の持分権者との間に入ってもらった方が、結果買取価格が高くスムーズに話がまとまる可能性があります。共有持分に関するご相談は、なんでも買取不動産までお気軽にご連絡ください。