
再建築不可
2024.04.08
再建築不可物件で住宅ローンを組めるか?融資を受ける方法や購入計画のポイント
再建築不可物件を購入するデメリットの一つとして住宅ローンが組めないことが挙げられます。本記事では再建築不可物件が住宅ローンを組めない理由、さらに組めるローンにはどのようなものがあるのか、再建築不可物件を購入する際にどのような計画で臨むべきなのかを紹介します。
再建築不可物件で住宅ローンが組めない理由

再建築不可物件でも一見全く問題なさそうに見えるケースもあり、住宅ローンさえ組めれば購入したいのにと思うことは多いのではないでしょうか。再建築不可物件が住宅ローンを組めないのは、その時点での建物の安全性やデザインに問題があるからではなく、将来のリスクや資産価値を考慮しているためです。具体的な理由としては以下が挙げられます。
そもそも非常に古い物件が多い
再建築不可になるケースとして多いのが既存不適格建築物です。既存不適格建築物とは建築当初は適法だったが、長い年月の間に法改正があり現在の法律では適合しなくなった建築物を指します。例えば敷地が道路に2m以上接していなければいけない接道義務は1950年に施行されましたが、これを満たしていない接道義務違反の既存不適格建築物はまだ多数存在します。しかし、このような物件は築70年以上にもなる古い物件なので、建物としての価値が低く担保にならないため銀行は融資しづらいです。
老朽化しても大規模リフォームができない
再建築不可物件は老朽化した物件が多いにも関わらず大規模リフォームができません。建物の間取りを変えたり構造物をいじったりするようなリフォームに関しては、建築確認申請が必要ですが、再建築不可物件は申請しても却下されます。
建築確認申請を通すには現在の建築基準法を満たしており、さらに建築時に役所に提出している図面と現在の状況が同じである必要があります。しかし、前述した既存不適格建築物であれば現在の法律を満たしていませんし、申請せずに増改築を繰り返した違反建築物であれば図面と違うという理由で申請を通せません。
このように再建築不可物件は建物の存続に関わるような何らかの修理が必要な状況でも、何もできない可能性があります。当然建物の価値は低く見積もらざるを得ず、やはり担保にならないので銀行は融資しづらいです。
出口戦略が描けず物件が担保にならない
再建築不可物件は大規模リフォームができず、さらに一旦更地にしてしまうとそこに新しく建物を建て替えることもできません。そのため、売却に向けた出口戦略が描きにくく、売りにくい物件であることから担保になりません。そのため銀行は融資しづらいです。
再建築不可物件でも組める住宅ローン

再建築不可物件を購入する場合には住宅ローンは絶対に組めないのでしょうか。一般的な住宅ローンに限らなければ、ローンを組む方法自体は存在します。しかし、世の中の住宅ローンのような「ローンとしては低金利」という利点が使えない可能性が高いです。再建築不可物件購入時にローンを組む方法を紹介します。※なお、購入後にリフォームローンを組むといった裏技はありますが、購入前には使えません。
再建築不可物件でもOKの住宅ローンはある
実は全ての銀行の住宅ローンが再建築不可物件だとNGというわけではありません。再建築不可物件でも組めてさらに団体信用生命保険(団信)もついてくるという、一見普通の住宅ローンと変わらない内容で組めるものも存在します。
しかし、住宅ローンと大きく違うのが金利です。住宅ローンの変動金利は0.5%程度ですが、再建築不可物件の場合6%近くになることもあります。つまり再建築不可物件の場合は一般的なフリーローンと変わらない金利になることを覚悟しなければいけません。
銀行のフリーローンを利用する
用途を問わないフリーローンであれば再建築不可物件でも融資を受けられます。しかし、前述したように金利が非常に高いのが難点です。
ノンバンクのカードローンを利用する
銀行ではなく、ノンバンク、いわゆる消費者金融等のカードローンを利用するという方法もあります。しかし、これもやはり金利が高いのが難点で、かつ、住宅を購入するにあたって必要な融資希望額まで届かない可能性も高いです。
他の財産を担保にしてローンを組む
もし他に持っている土地等の不動産があればそれを担保にすることでローンを組める場合もあります。
再建築不可物件の購入計画の立て方

このように再建築不可物件はローンが組みづらく、何かしらで融資を受けられたとしても条件が普通の住宅ローンと比べて悪いです。それでも再建築不可物件を購入したいと諦められない方もいるのではないでしょうか。
- 再建築不可物件ではあるが、物件の状態には問題がない
- 場所が良い
- デザインが良い
- 非常に安い
上記のような再建築不可物件は確かに魅力的です。なんとかして購入するためにどのような購入計画を立てれば良いのか考えていきます。
自己資金割合を増やす
普通の住宅で購入時に入れる頭金は20%程度までが目安と言われています。4000万円の住宅であれば800万円です。一方、再建築不可物件は同条件の普通物件の3〜5割程度の価格で売られていることが多いです。つまり4000万円の物件と同条件だった場合、1600万円程度の価格となります。
リフォームに制限がある
再建築不可物件はリフォームが全くできないというわけではありませんが、できる部分には制限があります。
ポイントとしては下記3点となります。
- 建築確認申請が必要になるレベルのリフォームは出来ない
- 再建築不可物件は、増築、改築ができない
- 建物の基本構造を変えてしまうと増築、改築になる
まず、建築確認申請に関してですが、再建築不可物件はそもそも建築基準法を現行法で満たしていないので、建築確認申請をそもそもすることができません。そして、建築確認申請をする必要があるレベルのリフォームというと増築、改築です。床面積を増やすために階を増やす、別の棟を建設する、また部屋の間取りを大幅に変えるために柱や梁などの構造物を動かすという内容が該当します。 再建築不可物件は1950年以前に建てられた可能性が高いため、計算上築73年以上経過していることになります。それくらい古い物件だと建築確認申請が必要な大掛かりなリフォームが必要になるのが普通ですが、再建築不可物件はそれができません。
もし普通物件を購入するのと同じ頭金を再建築不可物件で入れることができれば、1600万円-800万円=800万円ローン残債は800万円ですので、金利の高いローン商品でも残債の少なさに納得できるかもしれません。もちろん毎月の返済額は普通の住宅ローンの倍以上になる可能性は十分ありますので、よくよくキャッシュフローをシミュレーションすることが必要です。
返済期間を長く設定する
ただでさえ金利が高いローンを組む場合は、月々の返済額を抑えることで家計の圧迫を抑える工夫も必要です。そのため、長めの返済期間を設定することも手です。
しかし、ただでさえ金利が高いので、あまりに長く返済期間を設定すると総支払額が非常に高くなってしまうこともあります。家計の状況を見て繰上げ返済をするなどの対応は必要です。
再建築不可物件の購入の鍵は自己資本割合をどこまで増やせるか

再建築不可物件の購入は価格が普通の物件よりかなり安いため、自己資本割合を大きくしやすくローン総額を少なくできるという良い点もあります。しかし、いくら安いとはいっても、多くの方はなんらかのローンを組むことになり、高金利に頭を悩ます可能性は高いです。
そのため、再建築不可物件の購入は自己資金をどれだけ用意できるかと、ローンの融資額をどこまで抑えられるかで可否が決まるといってもいいでしょう。それにはそもそもの物件価格が重要になります。
なんでも不動産買取では当社が買い取った再建築不可物件の売却を行っております。無理のないキャッシュフローで良い内容の再建築不可物件を購入したいと考えている方は、ぜひお気軽にお問合せください。