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底地を巡って地主と借地人の間でもしトラブルが起きたらどうする?

底地

2024.05.13

底地を巡って地主と借地人の間でもしトラブルが起きたらどうする?

更新料を徴収しようとしたら借地人との関係が悪化した、借地人が地代の値上げに応じてくれないなど、底地をめぐるトラブルは非常に多いです。今回は底地に関して地主と借地人との間にどのようなトラブルが起こりやすいのかをケース別に解説し、考えうる解決方法も紹介します。

借地人との間によく起こる底地のトラブルとその解決方法

借地人との間によく起こる底地のトラブルとその解決方法

地主と借地人の間でよく起こる底地のトラブルは、金銭と契約に関するものが多いです。基本的には契約書に明記されている、法律で定められている内容であれば結論は出やすいですが、内容によっては係争が長期化する可能性もあります。どのようなケースと解決方法があるのでしょうか。

地代の値上げができない

底地の上に立つ借地権付き住宅が、建設時から数十年経過していることは珍しくありません。当然50年前の日本と現在では貨幣価値も地代相場も異なりますので、当初から据え置きの地代のままではやっていけないと思う地主も多いはずです。納める固定資産税や都市計画税の金額の方が地代より高くなってしまうのでは土地を持っている意味がありません。

しかし、当然借地人としては値上げは歓迎できませんので、地代の値上げは拒否にあうことがほとんどです。粘り強く交渉していく必要がありますが、交渉の際にはデータをもとにして説明する必要があります。地代と支払う税金のバランスを見せて赤字になって困っていると説明する、周辺の現在の地代を示すなどを行いましょう。

それでも地代の値上げに応じてもらえない場合に活用できるのが借地借家法11条の「地代等増減請求権」です。ただ、この請求権を行使したとしても、まずは引き続き調停という形で落とし所を探るため、裁判所が間に入っての交渉は続くことになります。調停が不可能となった場合に初めて裁判で地代値上げの可否を争うという流れです。ただし、当初結んだ契約書に「地代の値上げは行わない」等の特約事項があれば値上げは行うことはできないので、契約書の内容に注意が必要です。

更新料を徴収できない

契約期間が終了し新たに更新する際の更新料が契約書に明記されていれば借地人は当然支払わなければいけません。問題は契約書に更新料に関して明記されていない場合です。法的な側面だけでいうと契約書に更新料についての記載がない場合、借地人は更新料を支払う義務は一切発生しません。これは、このケースで仮に裁判を起こした場合に、地主側がほぼ確実に負けることを意味します。

とはいえ、更新料に関しては地域によって慣習があり、契約書に明記していなくても「この程度の金額を払うこと」という暗黙の了解がある場合があります。古くから地元に住まう地主にとっては、契約書に書いてあろうがなかろうが借地人は更新料を払うのが当たり前と思うこともあるかもしれません。

しかし、時代が進めば他エリアから新規の住民の流入も増えますし、外国人の借地人も現れるでしょう。そういった場合に、「慣習が〜」と言っても理解される可能性は極めて低いです。解決策として、まず新規の契約を結ぶ場合は必ず更新料について契約書に記載をするようにしましょう。既存の契約を更新する際には、ダメもとで更新料支払いの交渉をするのは良いですが、むしろ地代の値上げ交渉の方が前述したような地代等増減請求権が最終的に使えるので、話がまとまる可能性が高いかもしれません。

地代が滞納される

地代を滞納する借地人を契約解除したい、追い出したいと思う地主は多いはずですが、そう簡単に契約解除はできません。滞納が1、2回あったくらいではまず裁判所は認めませんので、数回にわたって連続して滞納され納められていない状況がつづいている必要があります。目安として、3ヶ月以上滞納が続いている状態くらいから契約解除を通告することができると考えれば良いでしょう。ただし、3ヶ月経過するまで、継続的に支払いを催告しておく必要があります。

増改築や借地権の譲渡を認めてくれとしつこく交渉してくる

応じる気はないと伝えているのに関わらず、借地人から増改築や借地権の譲渡をしつこくされて困っているという地主もいるかもしれません。建物の老朽化が進み人が住めなくなれば借地権が消滅しますので借地人としては増改築を強く依頼してきます。しかし、地主側が借地権を消滅させた上で土地を回収することを考えている場合は、借地人からの増改築には応じられないでしょう。また、同じ理由で借地権の譲渡も認めにくいです。違う借地人になるといろいろ状況が変わり、地主の意図通りに物事が運ばなくなる可能性があります。

このように地主側からすると頭が痛い借地人からの増改築や借地権の譲渡交渉ですが、地人からするとライフプランに大きく関わる重要な問題です。借地人はこのように地主から認められない場合、「増改築許可申立」「土地賃借権譲渡または転貸許可の申立」を裁判所に申請することができ、認められれば裁判となります。裁判になれば多大な労力や費用がかかりますし、結果として増改築や転売を認めるという判決になれば地主としては何のメリットもありません。また、借地権の譲渡に関しては、裁判の過程で介入権というものを行使し、裁判所が定めた価格で地主が該当の土地を購入することができます。しかし、これも裁判の前に上手に交渉できればもっと高い価格で労力もかけずに進められたはずです。
この場合の解決策として、普段から借地人とコミュニケーションをとり良い関係性を作っておくことが挙げられます。関係性ができていれば、どういう話し方をすれば納得してもらいやすいか、反発されにくいか考えた上で交渉のテーブルにつくことができます。

無断で増改築や借地権の譲渡をされた

借地人が無断で増改築や借地権の譲渡をした場合、基本的には地主は即刻契約解除を通告することが可能です。もちろん、旧借地法か借地借家法か、どちらが適用される物件かによって契約違反の条件が異なりますので、契約書と適用される法律をよく確認する必要があります。この場合は、通告後何らかの調停になるか、借地人が納得しない場合裁判になります。

トラブルになる前に借地権の買取か底地の売却を

トラブルになる前に借地権の買取か底地の売却を

借地権を設定して長い時間が経過すればするほど、社会情勢や家庭の状況は変わります。借地人も地主も相続が発生する等で権利者が変われば、これまで築いた関係性もゼロになってしまうかもしれません。そのため、地主にしても借地人にしても、いつでも連絡を取れる関係であるのが好ましいですし、相続する可能性のある家族に対して土地の状況を共有しておく必要があります。その上で、地主としては底地を適切に資産運用していくように計画を立てなければなりません。ゆくゆくは自分のところで借地権を買い取りたいのであれば関係性の中で仕込んでおく必要がありますし、適切なタイミングで交渉を始める必要があります。

ただ、地主が運用するのがどうにも難しい状態の底地も存在します。その場合は底地の売却を検討するのも手です。なんでも不動産買取では自社で底地の買取を行なっております。まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。

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