
底地
2024.07.8
借地?底地?不動産の複雑な権利関係をスッキリ解消!専門家が教える違いと注意点
更新料を徴収しようとしたら借地人との関「借地権」と「底地権」、不動産取引で耳にするものの、その違いを明確に理解するのは難しいです。 この記事では、専門家が「底地」と「借地」の複雑な権利関係を分かりやすく解説します。所有権と利用権の違いといった基本から、それぞれの費用・税金、そして不動産投資におけるメリット・デメリットまで理解を深めましょう。
底地と借地の違いを分かりやすく解説

不動産取引において、「底地」と「借地」は重要なキーワードです。しかし、これらの言葉の意味や違いを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。この章では、底地と借地の違いを分かりやすく解説し、よくある誤解を解消します。
所有権と利用権の違い
底地と借地の最も大きな違いは、土地に対する権利の種類です。

底地とは、建物の所有者ではない土地の所有者が持つ権利です。つまり、土地の所有権そのものを指します。一方、借地とは、土地を借りて建物を建てる権利のことです。借地権者は土地を所有しているわけではありませんが、地代を支払うことで土地を利用する権利を有しています。例えるなら、マンションの区分所有権は建物の所有権にあたり、底地はマンションが建っている土地の所有権、借地権はマンションの一室を借りる権利に近いです。ただし、借地権は単なる賃貸借契約とは異なり、法律によって強力に保護されている点が大きな特徴です。
底地と借地に関するよくある誤解
底地と借地については、いくつかの誤解がよく見られます。例えば、「底地は更地である」という誤解です。実際には、底地の上に建物が建っていることが一般的です。底地の所有者は土地を所有しているだけで、建物の所有者ではないという点を理解することが重要です。また、「借地権は弱い権利である」という誤解も存在します。確かに借地権者は土地を所有しているわけではありませんが、借地権は法律によって保護されており、更新や建替えなどが比較的容易に行えるようになっています。
また、底地と借地の関係は、地代という形で経済的に結びついています。地代は借地権者が底地所有者に支払う土地の使用料であり、その金額は固定資産税評価額や周辺の地価などを考慮して決定されます。地代の増減をめぐってトラブルが発生することもあるため、契約内容をしっかりと確認することが大切です。
底地と借地それぞれに発生する費用と税金

底地と借地は、それぞれ異なる権利形態であるため、発生する費用や税金も異なります。それぞれの費用と税金を理解することで、将来的なコストを予測し、適切な判断を下すことができます。
底地にかかる費用と税金
底地を所有していると、主に以下の費用と税金が発生します。

底地の固定資産税は、更地よりも低い評価額で計算されることが多いです。これは、借地権が設定されていることで土地の利用が制限されているためです。固定資産税の軽減措置については、各自治体によって異なる場合があるので、確認が必要です。
借地にかかる費用と税金
借地権を設定している場合、主に以下の費用と税金が発生します。

借地権の譲渡には、底地所有者の承諾が必要な場合があります。契約内容によっては、高額な承諾料が発生するケースもあるので注意が必要です。また、借地権にも固定資産税が課税されるケースがあります。借地権の固定資産税評価額は、借地権の存続期間や地代などを考慮して算出されます。
不動産投資における底地と借地のメリット・デメリット

底地と借地は、どちらも不動産投資の対象となりますが、それぞれ異なる特徴を持つため、投資戦略も変わってきます。ここでは、底地と借地の投資におけるメリット・デメリットを詳しく解説し、それぞれの特徴を理解した上で投資判断を行うための材料を提供します。
底地投資のメリット・デメリット
⚫︎ メリット
安定した地代収入
底地は土地を貸し出すことで安定した地代収入を得ることができます。借地権は更新されることが一般的であるため、長期的な収入源として期待できます。
管理の手間が少ない
建物の管理は借地人が行うため、底地所有者は建物の維持管理を行う必要がありません。そのため、管理の手間や費用を軽減できます。ただし、境界の確認や地代改定の交渉など、最低限の管理は必要です。
相続税対策
底地は更地よりも評価額が低くなるため、相続税対策として有効な手段となります。また、定期的に地代を見直すことで、将来の相続税評価額をコントロールすることも可能です。
⚫︎ デメリット
流動性が低い
底地は借地権が設定されているため、更地に比べて売却が難しい場合があります。そのため、すぐに現金化したい場合には不向きです。
地代改定の交渉が必要
地価の上昇などにより、地代が実勢価格と乖離した場合には、借地人との地代改定の交渉が必要となります。交渉が難航する場合もあります。
借地権による制約
底地には借地権という制約があるため、自由に土地を利用することができません。更地のように自由に建物を建てるといったことはできません。
借地投資のメリット・デメリット
⚫︎ メリット
初期投資が抑えられる
底地は土地を貸し出すことで安定した地代収入を得ることができます。借地権は更新されることが一般的であるため、長期的な収入源として期待できます。
立地の良い物件を取得しやすい
都心部などでは、更地での物件取得が難しい場合でも、借地権付きの物件であれば取得できる可能性があります。好立地の物件に投資できる可能性が広がります。
⚫︎ デメリット
地代を支払う必要がある
借地人は地主に地代を支払う必要があります。地代は固定資産税とは別に支払う必要があり、収益を圧迫する可能性があります。
底地所有者の承諾が必要な場合があ
建物の増改築などを行う場合には、底地所有者の承諾が必要となる場合があります。承諾を得られない場合、計画を変更せざるを得ない可能性があります。
更新料が発生する
借地権の更新時には、更新料を支払う必要があります。更新料は高額になる場合があり、資金計画を立てる上で注意が必要です。また、更新時に地代が改定される可能性もあります。
以上のメリット・デメリットを踏まえ、ご自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて、底地投資と借地投資のどちらが適しているかを慎重に検討することが重要です。それぞれの特性を理解し、最適な投資判断を行いましょう。
まとめ

この記事では、不動産における底地と借地の違いについて解説しました。底地とは土地の所有権を指し、借地とは土地の使用権を指します。所有権と利用権という根本的な違いから、売買時の注意点、発生する費用や税金も大きく異なります。底地は安定した地代収入を得られるメリットがある一方、借地権割合が高い場合は売却が難しいデメリットがあります。一方、借地は初期費用を抑えて土地を利用できるメリットがある一方、地代や更新料の負担、建物の建築や改築に制限があるデメリットがあります。底地と借地、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが有利かは一概には言えません。ご自身の状況や目的に合わせて最適な選択をすることが重要です。
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